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天冥の標シリーズ

前後のシリーズ記事

  1. 【読書感想】天冥の標Ⅳ 機械じかけの子息たち
  2. 【読書感想】天冥の標Ⅴ 羊と猿と百掬の銀河
  3. 【読書感想】天冥の標Ⅵ 宿怨 (この記事)
  4. 【読書感想】天冥の標VII 新世界ハーブC
  5. 【読書感想】天冥の標Ⅷ ジャイアント・アーク

今回の本

タイトル:天冥の標Ⅵ 宿怨
著者:小川 一水

天冥の標6 宿怨 PART1 (ハヤカワ文庫JA)天冥の標6 宿怨 PART 2 (ハヤカワ文庫JA)天冥の標 6 宿怨 PART3 (ハヤカワ文庫JA)

あらすじと登場人物

あらすじ

西暦2499年。スカイシー3にてスカウト・ハイクを行っていたアイネイア・セアキは、雪の中に倒れているイサリと名乗る少女を発見する。イサリは星のリンゴを求めて一人彷徨っていたのだった。

アイネイアの他の仲間とも合流し、数々の冒険を経てリンゴに辿り着いた一行。感謝をもって皆と別れたイサリだったが、彼女は実はプラクティス<世界冥王斑患者群連絡会議>のリーダーの娘だった。アイネイア達は彼女を保菌者と知りながら、彼女にそれを気付かれないように完璧にウイルス対策を行いつつ彼女を普通の人間・仲間として最後まで扱う。その事を後から知ったイサリは、彼らに心から感謝するのだった。

それから3年後-

500年にも及ぶプラクティスの怨恨は限界を迎え、ついに世界に宣戦布告する。小さな共同体しか持たない彼らと全太陽系。勝負にならないと思われたが、プラクティスには太陽系外からやってきた秘密の協力者がいるのだった…

登場人物

アイネイア・セアキ

14歳の少年。AIロボットのフェオを従え、スカイシー3にてスカウト・ハイクを行っていた。父はリエゾンドクターで母は太陽系を実質支配するMHD社の社長。祖母は冥王班回復患者なので冥王班に理解がある。

3年後、太陽系を飛び出し、新たな恒星へ飛び立つジニ号へ乗り込む事が決まっている。

イサリ・ヤヒロ

プラクティスの議長であるモウサ・ヤヒロの娘。13歳。次期議長候補の一人。

感想

サブタイトルの「宿怨」が示す通り、プラクティス達の500年にも及ぶ迫害への恨みが詰まった巻でした。第Ⅱ部を通して彼らの祖であるチカヤを直に目にしていた事もあり、これまでのプラクティス達には同情的になっていたものの、彼らはついに取り返しのつかない方向に行ってしまった。残念ながらこれまでと同じ目線ではもう見れなくなってしまった感がある。

先天的と後天的の2つの冥王班回復患者が存在するわけで、前者は祖先からの深い恨み、後者は病気の苦しみと掌を返した世間への恨み。二つの深い恨みを持つこれまでは社会的弱者だった彼らが世界をひっくり返すような武器を手に入れるとどうなるか。過去にはドロテア・ワットを無理にでも手に入れようとしていたプラクティス達。いつか爆発するだろうなと思ってはいたものの、外部勢力の手助けという形とは思ってなかったのでビックリ。でもラヴァーズと合流した時もそうだったろうけど藁をもすがる思いなんですよね彼らも。第三者の「復讐はいけない事」という言葉ほど軽いものはない。

ついに第Ⅰ部に登場していながら今まで登場していなかった石工<カルミアン>も登場。これで役者が揃った。第Ⅰ部では彼らはメニーメニーシープの土着の生き物として扱われていたが、何らかの情報操作があったのかどうか。しかしなぜプラクティス達は(超技術を持つ)彼女たちを下に見るようになってしまったんだろう。怪しすぎませんかね。被差別民が自分よりも下(のように思われる)をみつけて自分達も差別側に回ったみたいな図式に見えてなんか悲しかった。

ネタバレ感想

ガールミーツボーイ。少年少女達の無私の奉仕ともいうべき優しい心によって今まで虐げられてきた少女、そしてプラクティスの人々の心を溶かし、彼らの優しい思いが宇宙を包む~

なんて事は絶対に無いと思いつつも、そういうスタートかなと導入では思いました。そうだったらいいなと思いました。そして、

『全 太 陽 系 応 答 な し』

ぐあーやられたぁぁって感じ。読み終わった後はしばらく呆然。なるほどこれが天冥の標か。しばらくファストフード食べれそうにないぞどうしてくれる。

そうかこっちルートだったのかと落ち着いた後に思ったり。第Ⅰ部の時点から情報封鎖・情報操作が行われている事は示唆されていたしバルサムエイジって言ってたから、人類が平和的に太陽系外へ旅立った後に地球全滅なり何なりでも起こったのかなと思っていたらバルサムエイジ自体が怪しい感じに。

地球からやってきたという人も登場していたから実はメニーメニーシープは地球でしたー!みたいな事はないだろうけど、おそらく似たような感じな予感。

そして第Ⅰ部で登場していたフェロシアンの全貌が。冥王班が感染する事から、そりゃまぁプラクティスが何らかの形で変異したとは予想がついていたものの、まさかの太陽系外技術によって。改造手術で甲皮をもった虫人間になるという事で仮面ライダーのようなイメージに。

しかし20万人全員がクラフト化ってのがイマイチ納得はできず。反対派とか普通出るだろうと。まぁ周りが皆盛り上がっているのに一人だけ反対というのは出来ないだろうけど、後天的の方のプラクティスでもっと平和を願っている者達もいたろうに。それだけ彼らの普段の生活が苦しかったという事か。哀しいなぁ。

このシリーズ、巻の最後で生きていたキャラクターはとりあえず幸せ!ハッピー!と思っているので今の所まだ生きているアイネイアとイサリはまだ幸せですねうんうん。次の巻でも続投のようなので二人の行く末が楽しみ。頼むぞ…生き延びてくれよ…。

イサリはあのイサリなんだろうか。アイネイアの家名であるセアキもあのセアキの祖という事でいいんだろうか。気になる答えは次の巻かな。

あとはノルルスカインが本当に役に立たないというか頼りにならない。メーメー言ってる場合じゃない。(メインストリームではないとはいえ)ミスチフにドロテア・ワットのフェオドールを乗っ取られてるし、最初の方でカルミアンにも不意打ちくらって負けてる。ずっとラヴァーズやらプラクティスの方にも潜伏していた割に悲劇を何一つ防げてないので、本当にただただメーメー言ってるやつらになってるような。事情を話した人達がだいたい死んでいくのもなんとも。寄生先の太陽系人類が滅びてもノルルスカインとしては他の星系にも展開してるから滅びるわけでもなし。危機感が足りないという感じか。もっと頑張って。

おわりに

プロローグも終わり、メニーメニーシープの世界のしっぽぐらいは捉えた感じに。ここからどんな話になっていくのかページをめくる手が止まりません。

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