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天冥の標シリーズ

前後のシリーズ記事

  1. 【読書感想】天冥の標Ⅰ メニー・メニー・シープ
  2. 【読書感想】天冥の標Ⅱ 救世群 (この記事)
  3. 【読書感想】天冥の標Ⅲ アウレーリア一統
  4. 【読書感想】天冥の標Ⅳ 機械じかけの子息たち

今回の本

タイトル:天冥の標Ⅱ 救世群

著者:小川 一水

天冥の標 2 救世群 (ハヤカワ文庫JA)

無力感と絶望感に襲われた巻でした。

あらすじと登場人物

あらすじ

西暦2015年、パラオで謎の疫病が発生する。

後に病からの生存者に残る跡から冥王班と名付けられたこの疫病への対処として、医師である児玉圭吾と矢来華奈子は現地へ向かい、日本からの旅行者だった少女千芽を助ける事になる。しかし千芽の両親を含む多くの患者は助けられず、冥王班は世界中へ徐々に広がっていく。

回復はしても患者からは空気感染によって冥王班は広がっていく。最初の回復例である千芽は世間の目に晒され続けるが、毅然と立ち向かい、冥王班回復患者の支援の輪を広げる活動を続けていく。

しかし東京や大都市でも冥王班は猛威を奮う。ついに世間や政府は冥王班回復患者をコスタリカのココ島に押し込め、隔離しようとするが…

パンデミックによって起こったバイオハザードに対する人類の戦いと、冥王班の謎へと迫る全てのはじまりが描かれる。

登場人物

児玉圭吾

日本人の医者。女癖は悪い。感染症が専門。若い頃から華奈子と共に世界各地で感染症と戦ってきた。

千茅に対して、初めて会った時にしてしまった行動により負い目を感じている。

矢来華奈子

若い頃から圭吾と共に世界各地で感染症と戦ってきた医者。危ないところに突っ込んでいく性格。

檜沢千茅

両親と共にパラオに旅行中、冥王班にかかったが一命をとりとめ冥王班回復患者となる。後に世界中の冥王班回復患者への支援運動を行う。

ジョプ

冥王班回復患者。ニューギニアの奥地の部族の戦士で、村を襲った疫病から奇跡的に一命を取り留めるが、それが世界中へ冥王班をばらまいた原因となってしまう。

フェオドール

パラオに滞在していた少年。世界的製薬メーカー会長の孫。秘書AIを作り、フェオドール・ダッシュとして人格を持たせている。

感想

とにかく読み始めた時はS…F…??と不思議に思うところからのスタートでしたが見事にSFでした。いやSFであると共に、見事な現実劇でした。

簡単に言ってしまえばハラハラ・ドキドキのバイオハザード物という事で、昔アウトブレイクという映画を見た後に数日間世界のどこかでパンデミックが起こったらどうしようと寝れなかったのを思い出しました。今でも怖い。映画の中ではそんな感染症を勇敢な誰かが防いで助けて人類は助かった~となるわけですが、そうならないのが・それだけじゃないのが天冥の標。

生き残ったまま病原菌を抱え続ける患者へ向けられる世間・人間の悪意が心をえぐるえぐる。差別と排除。勿論その人達も不安だったり同調圧力だったり様々な理由はあるのだとは思うけども、だからといって他人に悪意を向けるという事が許されるわけではない。だけどそう簡単に正論で片付けてしまうのは綺麗事でもあるわけで。もし自分がその時・場所にある時、「正しい」人間であり続ける事はできるのだろうかと考えさせられました。

 

登場人物達が疲れ、荒み、壊れていく過程を見るのはとても辛く。選択の重みと、恨み。この呪いがこれから何百年と人類を縛っていくのかと思うとシリーズの壮大さに深い溜め息しか出てこず。

ただ救いというか、登場人物達の団体や子孫がメニー・メニー・シープに繋がると思うと、その繋がりを探すのが読んでて楽しかったポイント。久しぶりに読書ノートでもつけながら読んでみるのも楽しいかもと。とりあえずこの巻が終わってすぐⅠ部の最後の一節とか色々読み返しちゃったり。この調子だと最終部に至るまでに何回読み返す事になるやら。

おわりに

読み終わってから腑に落ちる第Ⅰ部のあとがきでの言葉

第二巻は、世界を救う悪鬼たちと冷酷な聖者、そして疫病「冥王斑」が封じられるまでの話です。

悪鬼たちは救世群、聖者は圭吾なんですね。なんて哀しい二人(達)なんだろうと改めて涙。

最近はよく泣くんです。お涙頂戴展開というか泣くぞポイントみたいなものがあれば高確率で引っかかる。しかし冥王班の患者達の涙からでも冥王班は広がるんだなーと思うとさらに悲しくなりました。

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