【読書感想】賢者の怖れ 4 (キングキラー・クロニクル 第2部)

【読書感想】賢者の怖れ 4 (キングキラー・クロニクル 第2部)

キングキラー・クロニクルシリーズ

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今回の本

タイトル:賢者の怖れ 4 (キングキラー・クロニクル 第2部)

著者:パトリック ロスファス

賢者の怖れ 4 (ハヤカワ文庫FT)

表紙絵見てびっくり。急にRPGというか冒険ものに?と。宮廷で陰謀渦巻く権謀術数の知略勝負してたのでは?と思いながら読み進めると、そのスムーズな切り替えというか納得のいく場面転換で、ホントこの作者のこういうの好きって思いました。

 

あらすじと登場人物

あらすじ

大学での争いを避ける為、セヴェレンの地に到着したクォート。異国の地の宮廷流儀を学びながら、その地を治めるアルヴェロン大公に気に入られ、大公の婚約を取りまとめる事になる。

その途中で発覚した大公の暗殺計画を防ぎ、ますます大公の信頼を勝ち得たクォート。大公の婚約相手との進捗も順調で、愛しのデナとは毎日のように会える最高の環境だったが、デナが各地を放浪する理由がクォートも追っているある事にも関係がある事で、その真偽を巡って二人は大喧嘩してしまう。

その次の日、突然クォートは大公から密命を受ける…

登場人物

クォート

赤毛の秘術士。大学でのもめごとを避ける為セヴェレンの地へたどり着いた。大公の覚えめでたく、周りからは貴族と思われ素性を探られている。

古今東西の芝居や物語を熟知していることから女性へのラブレターは書けるが女性をまともに相手したことはない。

デナ

クォートの思い人。各地を放浪し、数々の男性に思いを寄せられているが、彼女の愛を得られた者はいない。

歌声が素晴らしいが、ハープの腕前もどんどん上がっている。

各地を放浪する理由が今回明かされたが…

 

感想

前に感想で大公の思い人の正体はたぶんあの人だよねって書いたけど余裕で外れていて嬉しかった。やっぱり自分のちっちゃな想像力なんて一息で吹き飛ばしてくれるような展開で嬉しい。というか流石に当初思っていた展開はベタすぎたか。けどその彼女、ラックレス家のお嬢様には身内がルーの民と駆け落ちしたそうで。そしてクォートはお嬢様とは面識がないはずなのにどこかであったような気がするわけで。絶対今までの登場人物の中の誰か、もしくはその血縁という事なんだろうけど…いやぁ難しい。とか何とか考えながらこの文章を書いていたんですけど、ちょうど今まさに答えがわかりました。案外読んでるときには気づかないもんですね。「旅芸人一座と駆け落ち」こんなに大きなヒントあるのに。読み返してないので100%ではないですが。

そして宮廷劇から傭兵たちと盗賊追走の旅へ。そんな危険な感じの旅、クォートは大丈夫なのかと思ったけども、そうでした彼は見た目とは違い秘術も使うし旅も慣れてるし生き延びる術を持っているのでした。物語の登場キャラクター達と同じように、宮廷編を読んでからの彼の印象が強かったから見た目(?)で判断してしまっていた。いやぁ彼が貴族のボンボンか何かと思い込んでいた。

追走の仲間達、一気に4人も新キャラという事で覚えれるかなと思ったけどもあっさり覚えられた。全員キャラが立っててわかりやすい。全員ステレオタイプ気味ではあるものの、使い捨てにするには惜しい人たちなので今後も登場して欲しい・・・が、伝説的秘術士クォートに仲間がいたとかの説明はなかったんだよなぁ。悲しい結末にはなってほしくないところ。

以前の巻でもあったけど、話の区切りで劇中劇がでてくるのは本当に好き。一つ一つに全体の物語に関係する何かが有るのかもしれないし、無いのかもしれない。無いならないで、この世界の人たちの日常・文化を知ることができる「わざとらしくない」入り方なので、こういうのもっと読ませてほしいと思う。意味が有るなら有るでそれはまた壮大な伏線という事になるからまた良し。どう考えても得をする読み方になる。最高。

あとちょくちょくクォートが過去の家族を偲ぶシーンがあるけれど、毎度毎度ジンときてしまう。直接的な言及じゃないけど、「家族と家を思い出す」というのは泣かせてくれる。同じように、今回ジンときたというかじわっと熱くなったのはエロディンの真意。物事を理解するには自分の中の常識に固執せず、多角的に見る必要がある、と。時間が経ち、ようやく真意がわかる師の教え。彼ともう一度会うことはあるんだろうか。彼の意図を理解した状態だと、彼が言っていた・やっていた事を思い返すといろいろ納得でき・・・ない所も多分にあるけど(部屋を燃やしたりとか)、物事は多角的に。基本だけど学術ってそういうとこだよなぁと。

 

おわりに

宮廷劇から仲間と共に盗賊退治。すごく冒険ファンタジーっぽい展開になった。ファンタジー的な戦闘シーンってこのシリーズではあまりなくて、竜退治の時ぐらいかな。あと風の名前を読み取った時ぐらいか(戦闘シーンではない)。これからそういう荒事な展開が増えるとなるとなかなか楽しみです。

 

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