【読書感想】賢者の怖れ 3 (キングキラー・クロニクル 第2部)

【読書感想】賢者の怖れ 3 (キングキラー・クロニクル 第2部)

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キングキラー・クロニクルシリーズ

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今回の本

月刊キングキラー・クロニクル。今回も最高でした。表紙カバーイラストが落ち着いた雰囲気なのが、嵐の前の静けさという感じ。

 

あらすじと登場人物

あらすじ

生活も落ち着き、平穏無事な生活を取り戻したように見えたクォートだったが、ある日突然逮捕され、古めかしい裁判に巻き込まれる。原因は往来で風の名前を唱えた事。先生や自身の弁舌でもってなんとか無罪にはなったが、長きに渡るアンブローズとの確執の結果である事は明白だった為、クォートはほとぼりが冷めるまで休学する事になる。

休学で暇を持て余す中、仲の良い貴族であるスレペ伯爵から遠き地の大公が弁が立つ賢き若者を求めている事を聞かされ、パトロンになってもらえるチャンスを掴むためにクォートはその地へ向かうことになる…

 

登場人物

クォート

赤毛の伝説の秘術士。この物語では彼の若き頃の半生が語られている。

自身が発明した自動防弓機により、万年の金欠からは開放されるも逮捕されて裁判を受けさせられる主人公。17歳にも満たない年齢だが、ずば抜けた記憶力と才能を持つ。

アルヴェロン

ヴィンタスの大公。王がいないヴィンタスの地で実質的な王と見なされている。金も権力も特権もすべて持つが、年齢の割に老けて見え、病に侵されている。

ある特別な問題を片付ける為、知人であるスレペ伯爵に才能ある若者を探してくれるよう頼んだ。

 

感想

長かった学生生活編も終わり、陰謀渦巻く宮廷編へ。これがまた面白くて面白くて。ゴシップと陰謀にまみれ、誰が敵で誰が味方かわからない中、主人公が持っているのは(文字通り)その才覚だけ。いやぁファンタジー世界の学校で架空の学問を学ぶというのも好きなんですけど、宮廷での陰謀劇ってのは大好きな展開なんですよ。自分の好きな事しか書いていないストーリー。最高か。

前の巻までは(見方によっては)女性に囲まれた華やかな学生生活だったのが、宮廷編ではイケジジに囲まれてこれはこれで。病に侵された大公アルヴェロンに謎の老貴族ブレドン。どちらも伏魔殿のような社交界を長年乗り越えてきたような感じなので、これにクォートは呑まれずについていけるのか。

とりあえず大公に気に入られ、大公が抱くある望みを叶えられるかどうかというのが今回のこの宮廷編の主旨なんだろうけど、大公が望んでる人って展開的に今まで登場したきたあの人(ぐらいしか候補がいない。)だよねってぐらいのありきたりな予想しか読んでて出てこず。まぁ普通に新キャラクターだという線もあるんでしょうけど。基本的にこちらの予想は全部外れて欲しい方なので、次巻からの展開に期待しかしてないです。

あとは忘れちゃいけないこのシリーズのタイトルは「キングキラー・クロニクル」。大公閣下は王と同じような特権を持ってる人という事なので、これってまさかねぇって感じ。これまた今後の楽しみ。もしかしたらクォートじゃなくて宿屋の主人コートの時に客の雑談の中で話しているかもしれないけど。

あとは小道具としての指輪のシステムがかなり興味深く。金・銀・鉄を相手へと送る事が社交界でのルールで、相手の身分や今の状況に合わせて相手へと送る指輪の種類を変えたり、どう飾ったり身につけるかというのが、物語に仕掛けとして色々含まれてそう。本当に歴史的にあったシステムかもしれないけど。

心に残った名言

クォートが開発した自動防弓機を師匠に見せ、幾らで売るかを師匠に聞かれた時にクォートが返した言葉が今回のNo.1。

「二十五タラントは大金です。安全と安心は、金持ちだけが手に入れられるものになるべきではありません。八でもかなりの額だと思います」

ずーっと金欠で、少しでも儲ける事が出来る機会があれば飛びついてるであろう彼が放ったセリフ。彼の根本的な性質がわかる、主人公たる証とも言えるセリフだった。

おわりに

刊行ペースが月刊なのが本当ちょうどいいです。前の展開を忘れすぎず、クールダウンもできる。ただ読み終えた瞬間は、「また絶妙にいい所で終わった!早く次を読ませてくれ!!」ってなるので興奮のぶつけ先に困ってたり。割と本気で手足をジタバタしながら悶てます。

 

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