キングキラー・クロニクルシリーズ
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今回の本
タイトル:賢者の怖れ 7 (キングキラー・クロニクル 第2部)
著者:パトリック ロスファス
あらすじと登場人物
あらすじ
2人の少女を攫った旅芸人を語る一座を壊滅させ、大公の元に戻ったクォート。しかし、自分が身を粉にして結び付けた大公夫人に自分の出自を語ることになってしまい、大公夫人の怒りを買ってしまう。愛しい新妻と才能はあるが出自怪しいクォートを天秤にかけた大公は、クォートに学費補償といくつかの権利を与えただけで領地からの退去を命じる。
長きにわたる謀略と戦いと冒険の日々から大学に戻ったクォート。金策に悩まされる日々が終わり、学業に集中できることになる。
登場人物
クォート
赤毛の伝説的秘術士。その功績・伝説は様々な歌となり、吟遊詩人に唄われる。
現在は宿屋の主人コートとして静かな暮らしをおくっているが…
デナ
クォートが思いを寄せる女性。数々の男性と浮名を流し、世界を旅する。
謎のパトロンからの指令に従っており、彼女自身も謎に満ちている。
感想
第二部完。あとがきで訳者の方がかなりぶっちゃけていた通り、本当にこれあと1部で終わるのかコレって感想。まだまだ謎が残っているのもそうだけど、現在の時間軸に当たる宿屋の主人コートの方も予想以上に不穏な空気。最初の方はコートが語る過去の物語だけだと思っていたのに、予想以上に話が終わってなさそう。決着がついたと思ってた話は実は決着がついていない可能性も。
物語としての伏線というか主筋で解決しなければならないのは、チャンドリアンとの対決、デナとの関係、大学との決別、妖とのさらなる関係(バスト)、王殺し。ぐらいか。このうち大学との決別だけがわかりやすく先が見えているけれど、他のは語っている話の中では道筋も見えていない状態。チャンドリアンは尻尾もつかんでいないしシリーズ名になっている「王」が誰かもわかってない?どうなることやら。
しかし金欠が解消されて小金持ちになったクォートの話が思ったよりつまらないというか小市民的というか普通の人に。話としても駆け足になるし、やはり物語としてはある程度苦難に立たされないと面白くはないよなーと。苦境に陥った人が幸せになってそのままエンディングへ~なら、いやぁ良かった良かった幸せにね。で終わるんだけど、まだまだ第二部の終わり。これから先に待っている展開を考えるとここで小金持ちになってもなぁと白けてしまう。嵐の前の静けさと言ってしまうとその通りなんだけど、もうちょっと(過去語りの中で)クリフハンガーが欲しかったかも。
おわりに
とにもかくにも面白いシリーズなのは間違いなし。原書が案の定発売が遅れているとのことなので、邦訳されるのもだいぶ先か。とりあえず第一部から読み返して話の中での様々なヒントを探りたい。一度目では見逃していたような事柄がたくさんあるはず。
第三部、いつまでも待ってます。
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