キングキラー・クロニクルシリーズ
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今回の本
タイトル:賢者の怖れ 5 (キングキラー・クロニクル 第2部)
著者:パトリック ロスファス
あらすじと登場人物
あらすじ
大公より盗賊団を追う事を命じられたクォート。傭兵2人、追跡人1人、アデム人傭兵1人と共に森に潜む盗賊団の捜索を開始する。
個性豊かな傭兵達と共に探索するも結果はなかなか出ない。しかし追跡の合間に、雇うには傭兵数人分が必要と言われるアデム人傭兵のテンピに興味をもったクォートは、アデム人の文化や言葉をテンピから学んでいく。
一月にも及ぶ探索の後、やっと盗賊の足取りを捉える事ができた一同だったが、相手は自分たちよりはるかに多く、連携も上手くいかず奇襲も失敗に終わり、絶体絶命のピンチに陥るが…
そして激戦の後、クォートはお伽噺に登場する妖精との官能の日々を過ごすことなる…
登場人物
クォート
赤毛の秘術士。後に伝説的な存在となる。
流浪の民エディーマ・ルー出身で、音楽の才能と抜群の記憶力を持つ。秘術校で秘術を学んでいるが、トラブルを回避するため大公の元で働くこととなる。
テンピ
アデム人の傭兵。クォート達が話す言葉はうまく話せない。
音楽に興味がある。
感想
傭兵達と盗賊団の激闘が熱い。これまでになかった集団戦・対人戦という事で、戦略戦術文字通り知恵を振り絞ったような戦いで緊迫感が凄かった。しかしクォートが多くの盗賊を倒すために使った秘術。トドメをさした方はまぁいいんだけど最初に多くを倒した死体を使う方は冒涜的すぎて追跡人マーテンがドン引きするのもわかる。それしかないという状態だったのはわかるけど、術として強すぎてそれが有りならこの世界での集団戦は凄い事になってそう。秘術士が一人戦場にいるだけで戦局があっという間に変わるだろうなと。ちょっとバランス壊れた術だったなぁ。
テンピはこれからの重要人物というか相棒的な感じになりそう。彼とのやり取りは興味深い事の連続。言葉は口から発するものだけではなく、手振りも使う事でひとつのコミニケーション。アデム人の独特の文化がまだまだ謎に満ちていて、物語の中でさらに(現実世界とは)違う文化を学ぶというファンタジー小説ならではの醍醐味を味わっている。現実世界に有りそうでない無い、作者が想像して創造した新しい文化に触れられるからこそ、自分はファンタジーというジャンル好きなんですよねぇ。
そしてついに大人になったクォート。もうあの純情なクォートは帰ってこないのかーとちょっとした謎の悲しみ。今まではハーレム漫画の主人公みたいに誰とも結ばれることなく、意味なくモテつつフラグを重ねたり折ったりしてたのが、今度からは片っ端から落としていく事になりそう。怖い。
妖精の国で過ごした日々というのは、日本でもお馴染みの浦島太郎的展開になると思いきや真逆でビックリ。この手の異世界との時間軸が違う話は世界中でもあるわけですけど、異世界の方が時間が遅いって珍しいなぁと思ってたけどドラゴンボールの精神と時の部屋があった。
とにかく前半は泥臭い戦い、後半は官能の世界という事で、分冊による切るタイミングなんでしょうけど見事に毛色の違う話に。なるべく一つの巻で一つの章という感じで固めて欲しいけど、今回ぐらい対極だと違う話を呼んでる感じで面白い。
おわりに
どんどん話が動き始め、クォートが伝説の秘術士に近づいていっている感じ。宿屋の主人コートの時に他にもアレやコレと遭遇したり戦ったりしたという発言もあったりしたけど、そこらへん全部回収できるんだろうかと心配に。宿屋主人がゴール云々の発言もあったので、まださらに未来の展開もあるかもですね。話がどんどん壮大になっているので綺麗に畳んでいってほしい所。
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