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今回の本
タイトル:影との戦い ゲド戦記1 著者:アーシュラ・K. ル=グウィン

あらすじと登場人物
あらすじ
アースシーと呼ばれる沢山の島々(多島海)で構成された世界。ゴント島に生まれた少年ハイタカは、村を襲った兵士を魔法で撃退した事をきっかけに、魔法使いオジオンにゲドと名付けられ引き取られる。 オジオンの元で魔法の修行をはじめたゲドだったが、あるきっかけで魔法使い達の学院であるローク島で学ぶこととなる。ロークの学院始まって以来の秀才と呼ばれ、その類まれなる才能を伸ばしていくゲドだったが、自身の傲慢により影の国より自身の影を呼び出してしまい、力のほとんどを奪われてしまう…登場人物
ゲド(ハイタカ)
後に竜王や大賢人と呼ばれる事になる魔法使い。その一生は「ゲドの武勲(いさしお)」として後世に残っている。この巻は彼が何もなし得ていない若き頃の物語。 ゴント島の鍛冶屋の息子で、ロークの学院始まって以来の秀才と呼ばれる。ゲドが本名で通称がハイタカ。性格は傲慢で気短だったが、「影」を呼び出したことで反省し、その生来の気性は和らいだ。 黒髪で赤褐色の肌。影により顔に傷を受けている。カラスノエンドウ(エスタリオル )
ゲドのロークの学院の同級生で親友。後に杖を授けられ魔法使いとなる。どんな時でもゲドを信じ、助ける。 黒褐色の肌。ゲドの影
ゲドが傲慢により影の国から呼び出してしまった自身の「影」。ゲドの力を狙っており、ゲドの真の名を知っている。影が魔法使いの力を奪い取ると世界も危ういとされている。感想
原点にして頂点と言っても過言ではないぐらい完成された世界と完成された物語でした。10年前に読んだときも同じように思った記憶があるので、おそらく次、さらにその次に読んだ時も同じ感想をもつことになるであろう至極の冒険ファンタジー。 ある程度昔のファンタジー小説の世界は、だいたいがヨーロッパや実在世界を元にした世界が多く、大陸があって海岸があって~というのが基本。しかしこの世界は多島海諸地域<アーキペラゴ>。その名の響き、その設定になんとワクワクさせてくれたことか。知らず知らず現実世界の常識を当てはめていたであろう世界の構成に風穴を開けたと思います。ファンタジーなのだから縛られずに自由に創造すればいいんですもんね。 最初に読んだ当時、冒険ファンタジーのキャラクター=白人という思い込みがあって、勝手にどんなキャラクターも主人公も白人だと思って読んでたんですが、途中でカラスノエンドウが出た時の、カラスノエンドウは黒褐色の肌でゲドや他の人は赤褐色の肌という一文を読んで衝撃を受けたのを覚えてます。アースシーにおいては白人はむしろ野蛮な悪役敵役。書かれた当時の背景とか色々あるんでしょうが、勝手な思い込みから自分の目を覚ます…というか目を開かせてくれたのには本当に感謝。 アメリカで放映されたドラマ版もあるそうですが、そちらではいつもの人種配慮なのか何なのかでゲドは白人、オジオンは黒人とかそういうやつだったみたいです。アニメ映画のゲドもゲド本人は褐色(赤褐色ではない)に近い感じでしたが他のキャラクターは白人系のような容姿ばかりだったので、もとの設定に忠実にするだけで良いのに、なぜ躊躇するのかと思ってしまいます。 ※作者がこの話題に対して語っていたそうです アニメ映画の方は散々言われてるし当時の自分も思う事はたくさんあって憤ったり色々しましたが、怒りは風化するんですね。今は、どうせ二度と見ない映画なのだからどうでもいいという感情になっています。とりあえず大人しく影との戦いを映画化して欲しかったなぁというのは思いますが、どちらにせよ脚本が原作からの改変のオンパレードになると思うので結果は一緒ですかね。悲しいなぁ。心に残った名言
カラスノエンドウが、影に襲われたゲドに対して、自身は故郷に帰る時にゲドに対して語る言葉。(前略)ハイタカ、もしも東海域に来るようなことがあったら、おれんとこに必ず寄ってくれ。もし用があったら、いつでも呼びによこしてくれ。おれの名を言ってな。おれの名は、エスタリオルだ。物語の中で、これまで散々「真(まこと)の名」というものがとても大切で、それを知る事が相手を支配する事につながる(日本でいう言霊のようなmの)という危機を語っていたのに、カラスノエンドウは別れの挨拶としてさらっと自分の名を明かす。なにげなく。それに対してゲドも、
エスタリオル。おれはゲドだ。信頼に対する答えとして、真の名を明かす。二人の永遠の友情が確立した瞬間で、何度読んでも胸を打たれる。 カラスノエンドウは凄い好きなキャラクターで、昔はいつか自分にもカラスノエンドウのような友人はできるだろうかと思っていましたが、違うんですね。自分がカラスノエンドウのような人間にならないといけない。友を信じ、友を助ける。なかなかできることじゃないけど、今からでも遅くはない。