今回の本
大人向きファンタジーの最高峰。
氷と炎の歌シリーズ第一巻であり、ドラマ化しているゲーム・オブ・スローンズ原作。
あらすじ
ウェスタロス大陸の七王国は、長い夏が終わり、冬を迎えようとしていた。狂王エイリスを倒し、ターガリエン家から〈鉄の玉座〉を奪って以来、バラシオン家、ラニスター家、スターク家ら王国の貴族は、不安定な休戦状態を保ってきた。だが、ロバート王がエダード・スタークを強大な権力を持つ〈王の手〉に任命してから、状況は一変する。それぞれの家の覇権をめぐり様々な陰謀が渦巻き……。ローカス賞に輝く歴史絵巻開幕!〈氷と炎の歌〉第一部
感想
個人的大人向きファンタジー第1位。 人に勧めても挫折される本第1位。 改訂問題とか色々あったものの、ドラマ版<game of thrones>が面白かったので補足も含めてじっくり読むことに。再読してみると伏線やちょっとした家名に驚かされる。作者が生きてるうちに完結してくれと願う1冊。 物語は導入の導入。これから陰謀渦巻く宮廷劇が始まると思うとゾクゾクするけど、読んでて辛い部分も多い。
それぞれの登場人物達の欠点がそのまま悲劇的で致命的に悪い方向に向かっている中で、それが改善される事なく物語が進行するというのが実にリアル。読みながら、おいおいそこで無駄な好奇心を抱くな余計な事するな!!とか駄目その人にそれ言っちゃ駄目!!!と突っ込む事多数。ロクな事にならない。
数多い登場人物の中でも、1部では小指と宦官が特に良い味を出してる。まったく何を考えているかわからない上にこの二人の利益が一致していない所がなんとも。火に油を注ぐ役というか。
感情移入して読める好きな登場人物でいくと普通にジョン。けどたぶん彼の狼であるゴーストが好きなだけかもしれない。アルビノの大狼とかもうそりゃね。
壮大な七部作の冒頭にも関わらず、凄い情報量と展開に圧倒されっぱなし。 基本的に主人公補正というものがなく、良い奴も悪い奴も死ぬ時は死ぬし、女性は捕まればレイプされるようなリアル?な中世世界。大人向きファンタジーの最高峰です。ぜひ。ぜひ。