【読書感想】ホビットの冒険〈下〉

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あらすじ

姿を隠すことが出来る魔法の指輪を手に入れたホビットのビルボに導かれ、ドワーフ達は長い旅の果てに父祖の財宝が眠るはなれ山に到着した。

宝を取り戻したいドワーフ、眠りを邪魔された邪竜スマウグ、スマウグに狙われる湖の町の人間たち。ドワーフを嫌う闇の森のエルフにゴブリン、狼、魔法使い…各勢力の思惑がうごめく中、ホビットのビルボ・バギンズがとった行動とは…

感想

何度も読んだにもかかわらず、爽やかさと少しばかりの寂寥感を感じさせる読後感。誰もが好きになる我らがビルボ・バギンズ君にただただ拍手。ビルボ自身も語っているけど、何度も嫌になって投げ出してもおかしくない状態になっているのにドワーフ達との友情と信義を選んで残り続け、五軍の合戦(に至るま)でトーリンと並んで重要なキーパーソンになった。はじめのホビット庄でのビルボを思うと信じられない成長っぷりだけど、それがいい。子供の頃からの人としてこうあるべしを教えてくれた人(ホビット)物。

トーリン・オーケンシールドは

たての湖(うみ)って言葉の響きがすごく好きで、子供の頃はずっと「盾の湖」と思い込んでいたんですが原文ではLong Lakeで長い湖っていうシンプルな感じなんですね。そして湖を”うみ”と読む。この訳の美しさたるや。さらに、たての湖にある湖の町の名はエスガロス。これまた本当に美しい響き。美しい言葉、美しい訳。最高の相乗効果。たぶんこの瀬田訳が無かったらトールキン作品をここまで好きになってないだろなぁ。

文庫版下巻の訳者あとがき(1965年に書かれた)にて、”どうかこの作品が、「ホビット」だけですぐわかり、愛されるようになってもらいたいものだと思います”と書かれているのも感慨深く。作者の完全な創作から、「ホビット」というだけで種族として認識され、児童書を代表する一冊として認識されるというのは改めてすごい事と感じる。映画になった事での普段本を読まない層への影響ももちろんだけど、ファンタジー小説を書く上での影響力も凄いわけで、あとがき通りの世の中になった事が本当に凄い。

おわりに

子供の頃から何度も読んだ自分の人生を作った1冊と言っても過言はない本なので基本的に褒める所しかなくて、嫌いな部分、読んでて不必要になる部分は特になし。このまま指輪物語の方までなだれ込んでいきたいところ。

原書房版は実は未読なので、そのうちいつか気が向いたら読みたいなぁ。読みたいという気持ちだけはあるんです。けどやっぱり二の足を踏んでる。

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