【読書感想】真実の魔術師

【読書感想】真実の魔術師

紙の魔術師シリーズ

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今回の本

魔術師シリーズの最終巻。紙の魔術師シオニーの最後の戦いです

あらすじ

前回の戦いから2年ほど経ち、シオニーは魔術師の卒業試験の準備に明け暮れていた。

無事に魔術師になれれば師匠であるエメリーとの関係も堂々と公言できるが、卒業試験の試験官は過去にエメリーと確執があった魔術師であり、試験までの期間はその魔術師の家に滞在する事に。

そんな時、シオニーとその家族の命を狙う血を操る魔術師が脱走し、シオニーの周囲が慌ただしく動き出す。

愛に追跡に戦いに。一人の魔術師は一つの魔術としか結合できないという誓約を破る方法を知ったシオニー、様々な魔術を駆使する最終巻。

感想

相変わらずやりたい放題やってるシオニーちゃんって感じだった。前巻において、一人の魔術師は一つの魔術としか結合できないというルールを破る方法を知ったシオニーだけど、独学で火や鏡、ゴムなど様々な魔術も基本は使えるようになっていて、一つの魔術を使っている間は他の魔術は使えないものの万能魔術師としてすごく無敵感。強すぎない?ラスボスも強いとは思うけれど、今までに比べてシオニーが整いすぎている(見習いからほとんど卒業状態、数々の魔術の基礎は独学でマスター)のでハラハラ感はあんまりなかったかな。

1巻目は足長おじさんであり、心臓を旅する事でエメリーの人生を見た事による彼への恋、2巻目は二人の間に生まれた恋、そして3巻目は二人の愛の話だった。エメリーとの絆はどんどん強くなっているけれど、お互いがお互いを守ろうとして暴走するのはいつもの笑いどころ。

残された謎やフラグが結構ある気がする。

・エメリーの元奥さんを凍らせた力の詳細。

・2巻目のはじめに登場した何人かの魔術師見習い仲間、彼らは結局なんだったのか(ただのモブでしたというオチだろうが)

・ラスボスの謎のインド人のいまいちわかりにくい行動原理。

などなど。思い返せばもっと色々ある気がするけど、投げっぱなしなんですかね。

伏線とかではないけど必要だったのか?というのは今回出てきたシオニーのグレてるほうの妹。姉と比較されてすねた存在なのはいいけど、物語のメインストーリーには一切関係なくてビックリ。もうちょっと絡んでくるかと思った。

同じように試験官の先生。昔エメリーにいじめられていて、それを引きずっていて~ってのはまぁなんとなくはわかるけど、そのまま微妙に嫌な(というか変な)奴のまま最後までいくとは。ハリーポッターのスネイプではないけれど、なにかしら危機的状態の時に手助けをしてくれる存在か、理由あっての行動の人かと思ってた。でもそっちのほうがステレオタイプすぎるわけで、これぐらい生々しく人間らしい存在のほうがリアルですかね。

あとはその弟子。彼も正直ただの当てつけモブだったのがちょっと悲しい。シオニー目線で進んでいるからどうしようもないけど、他の人が全員ノロマな人間に見えてしまうのがなんともなぁ。ちょっとシオニーのスペックが高すぎて優秀すぎましたね。

読後の疑問点を思いつくまま書いてみましたが、基本的にシリーズ全体通してすごく楽しめました。世界としてすごく面白い設定なので、もっと他の魔術師の目線でもみたかったなぁ。

終わりに

原題はThe Master of Magicianという事で、主人公の能力の方を見てるんだと思うけれど、邦題の方はどれを指しているんだろうか。暫く経ったらシリーズ読み返して色々考察していきたいところ。

 

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