【読書感想】図書館島

【読書感想】図書館島

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今回の本

ちょっと前からツイッターで東京創元社をフォローしていて、本の発売日や一般ユーザーの感想が自分のタイムラインに流れてくるようになっている中、すごく気になっていたのがこの本「図書館島」。帯の世界幻想文学大賞受賞等や、タイトルの響きからずっと気になっていたんですがついに文庫になるのも待ち遠しかったので買っちゃいました。

あらすじ

文字を持たぬ島に生まれた裕福な家の息子ジェヴィックは、父親が北の大陸にあるオロンドリア帝国から連れてきた家庭教師ルンレにより、オロンドリアの言葉と文字を学習する。

父親が死に、その商売を受け継いだジェヴィックは、はじめてのオロンドリアへの旅に興奮を隠しきれない。洋上では不治の病に冒され、その治療法を求めて旅するジサヴェトと出会うが、彼女の命は長くないように思えた。無事にオロンドリアに到着し、はじめての異国で浮かれた生活を送るジェヴィック。しかしある祭りの次の日、死んだはずのジサヴェトを幻視してしまう。

存在するはずのないジサヴェトの恐怖から解放されたいジェヴィックだが、オロンドリアで「天使」と呼ばれるその幻視は違法で異端、ただの精神疾患であるとされていた…

オロンドリアの旅、文字と言葉の力、登場人物達の過去。これはある交霊者の回顧録…。

感想

目に浮かぶような緻密な描写と交霊者ジェヴィックの回顧録という形をとっているので、1人の人間が本当にオロンドリア帝国で体験した事を書いた手記を読んでいるような気にさせてくれる至極のファンタジーでした。ファンタジーというより異世界小説って感じか。架空世界の創造に成功しているのがスゴイ。指輪物語に影響されて~ってあとがきにも書いてあったけど、この世界の歴史・地理・文化が本当に存在しているかのよう。特に島の風習の数々。実在するどこかの部族の風習本を読んでいるかのよう。

けれども基本的に人に薦める本じゃないかなーと。耳慣れない固有名詞が多いし、その説明も一度あるかないか。巻末に用語集がついているので基本的にそこと行ったり来たり。読むペースはどうしても遅くなりがち。背景描写も細かいのでこういったハイファンタジーに慣れてない人は挫折しそう。自分は指輪物語以来こういうの好きなので問題なかったですが…。言葉の言い回しとかも含めて読書難易度は高い方だなーと読みながら常に思っていました。

あらすじでもある通り精神疾患なのか本当に天使を幻視しているのか、コチラも不安になるような展開だったのでミステリーを読んでるみたいにすごいハラハラ。話の落ち着く先が最後まで見えなかったので惹き込まれっぱなしでした。「ヴァロンって何だかわかったわ。ジュートよ」この言葉が全てだった。これは読んだ人にしかわからない感覚だろうなぁ。ホントため息が出た。

終わりに

図書館島ってタイトルとカバーの絵はちょっと捻りすぎかなぁと思うけども、原題の「A Stranger in Olondria」ではさっぱり内容わからないですもんね。読み終わった後にタイトルの意味を考えると一入です。同じ作者、同じ世界の姉妹作があるらしいので、いつか読める事を願うのみ。

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