今回の本

どちらかといえばカバー絵買い。吟遊詩人という言葉だけで好きですがやはりカバー絵に惹かれたので発売前から予約して購入しました。創元推理文庫の本を読むのはいつぶりだろう。

 

あらすじ

吟遊詩人が歌と共に魔法を操り、強大な権威と権力を持つ国エイヴァール。しかし一部の吟遊詩人が禁忌の魔法に手を出した為に争いが起き、結果魔法の力を失う事になる。

時代は巡り、吟遊詩人達は学院で学び、競技会に出場して世間に認められるべく技を磨いていた。王権に強い影響力をもつ現在の宮廷詩人も過去の競技会の優勝者であり、優勝者には栄誉と権力が約束されているようなものだった。そんな中、競技会の直前に当代最高の吟遊詩人が久方ぶりにエイヴァールに現れ、権力に取り憑かれた吟遊詩人を批判する。

女性ゆえ正規の吟遊詩人の資格は無いが優れた才能を持つリン、太陽と月とも評される若き二人の天才詩人ダリエンとマーレン、ダリエンを愛する美しき大商人の娘リアンナと彼女の婚約者ネッド。5人の視点を中心に、栄誉と権力、愛憎の人間関係と、失われたはずの魔法を巡る冒険が展開する。

 

感想

良かった点

  • 一人前の吟遊詩人にはそれぞれ石がついた指輪が与えられるところ。石の種類によって意味があるようで、アクアマリン:心の清澄、緑の牧場の魂。や、エメラルド:トリックスター、幸運と混沌。などなど。色々くすぐってくる設定。けど全員分登場しないのは残念。
  • てっきり女吟遊詩人のリンと、優秀で皮肉屋だが影のあるマーレンが出会った時の会話の流れと雰囲気からコンビを組むような流れになるのかなーとか思ってたけどカスりもしなかった。もっと壮大でダイナミック。他にも登場人物達の人間関係は最初の情報から推測した物からはかなり違う事になったけど、それを無理のあるストーリー展開とも思わなかったので心地よく。予想の超えるいい裏切られ方をされたと思う。
  • 当代最高の吟遊詩人がガンダルフ的ポジションじゃなかった。だいたい仲間の強キャラが普段は姿表さないけどピンチになると駆けつけてなんやかんや助けてくれる展開が多いけども全然そんな事はなく。むしろ何やってたんだお前な感じ。ご都合キャラはあまり好きじゃない。
  • 吟遊詩人の設定が割りと現実的。吟遊詩人になるには学院に入って修行する必要があるせいか貧乏人が入れるところではなくてみんな育ちは良い。RPGゲームによく出てくる歌だけ歌っている吟遊詩人というより、剣も振るう(貴族の子弟が多いので剣術は習っている人が多い)冒険者という感じ。
  • 生まれや血筋が関係無いようで大いに関係あった。(イメージとして)自由に旅し、心のままに歌う吟遊詩人でありながら、権威や権力、家名に縛られているキャラクターが多くてテーマとして面白い。一種の貴種流離譚な部分も。
  • リンの兄がほどよく鬼畜。「あぁぁぁぁてめぇぇやっぱりかぁぁっっ」ってなる。なった。

微妙だった点

  • 主人公級5人ぐらいの群像劇に近い形なので、他の人へ視点がバッサリ飛ぶのが辛い。一行分開いているとは言え切り替える時は1節単位で切り替えて欲しかったかも。ぼーっと読んでると違う人になってて驚く事多数(ちゃんと集中してよく読めよという話だけど)。
  • 最後が結構怒涛の展開。それまでの展開スピードに比べてかなり駆け足感。もっとゆっくりじっくりで良かったのになぁと。
  • 吟遊詩人が歌うシーンの描写が少なかった気が。何ページにも渡る詩というのも困るけど短いのもあっけない感じ。

 

おわりに

訳者あとがきを読むと続編どころか3部作構想で次の巻もそのうち出るとの事。作中にはエイヴァールだけじゃなく色々な国や地方の名前、地方によって違う魔法のあり方が出てきたし確かに面白そう。そちらも楽しみです。

 

商品リンク

https://i1.wp.com/fantasyport.net/wp-content/uploads/2017/12/612qSeRxJQL._SX354_BO1204203200_.jpg?fit=356%2C499https://i1.wp.com/fantasyport.net/wp-content/uploads/2017/12/612qSeRxJQL._SX354_BO1204203200_.jpg?resize=150%2C150Port感想・レビュー海外文学今回の本 どちらかといえばカバー絵買い。吟遊詩人という言葉だけで好きですがやはりカバー絵に惹かれたので発売前から予約して購入しました。創元推理文庫の本を読むのはいつぶりだろう。   あらすじ 吟遊詩人が歌と共に魔法を操り、強大な権威と権力を持つ国エイヴァール。しかし一部の吟遊詩人が禁忌の魔法に手を出した為に争いが起き、結果魔法の力を失う事になる。 時代は巡り、吟遊詩人達は学院で学び、競技会に出場して世間に認められるべく技を磨いていた。王権に強い影響力をもつ現在の宮廷詩人も過去の競技会の優勝者であり、優勝者には栄誉と権力が約束されているようなものだった。そんな中、競技会の直前に当代最高の吟遊詩人が久方ぶりにエイヴァールに現れ、権力に取り憑かれた吟遊詩人を批判する。 女性ゆえ正規の吟遊詩人の資格は無いが優れた才能を持つリン、太陽と月とも評される若き二人の天才詩人ダリエンとマーレン、ダリエンを愛する美しき大商人の娘リアンナと彼女の婚約者ネッド。5人の視点を中心に、栄誉と権力、愛憎の人間関係と、失われたはずの魔法を巡る冒険が展開する。   感想 良かった点 一人前の吟遊詩人にはそれぞれ石がついた指輪が与えられるところ。石の種類によって意味があるようで、アクアマリン:心の清澄、緑の牧場の魂。や、エメラルド:トリックスター、幸運と混沌。などなど。色々くすぐってくる設定。けど全員分登場しないのは残念。 てっきり女吟遊詩人のリンと、優秀で皮肉屋だが影のあるマーレンが出会った時の会話の流れと雰囲気からコンビを組むような流れになるのかなーとか思ってたけどカスりもしなかった。もっと壮大でダイナミック。他にも登場人物達の人間関係は最初の情報から推測した物からはかなり違う事になったけど、それを無理のあるストーリー展開とも思わなかったので心地よく。予想の超えるいい裏切られ方をされたと思う。 当代最高の吟遊詩人がガンダルフ的ポジションじゃなかった。だいたい仲間の強キャラが普段は姿表さないけどピンチになると駆けつけてなんやかんや助けてくれる展開が多いけども全然そんな事はなく。むしろ何やってたんだお前な感じ。ご都合キャラはあまり好きじゃない。 吟遊詩人の設定が割りと現実的。吟遊詩人になるには学院に入って修行する必要があるせいか貧乏人が入れるところではなくてみんな育ちは良い。RPGゲームによく出てくる歌だけ歌っている吟遊詩人というより、剣も振るう(貴族の子弟が多いので剣術は習っている人が多い)冒険者という感じ。 生まれや血筋が関係無いようで大いに関係あった。(イメージとして)自由に旅し、心のままに歌う吟遊詩人でありながら、権威や権力、家名に縛られているキャラクターが多くてテーマとして面白い。一種の貴種流離譚な部分も。 リンの兄がほどよく鬼畜。「あぁぁぁぁてめぇぇやっぱりかぁぁっっ」ってなる。なった。 微妙だった点 主人公級5人ぐらいの群像劇に近い形なので、他の人へ視点がバッサリ飛ぶのが辛い。一行分開いているとは言え切り替える時は1節単位で切り替えて欲しかったかも。ぼーっと読んでると違う人になってて驚く事多数(ちゃんと集中してよく読めよという話だけど)。 最後が結構怒涛の展開。それまでの展開スピードに比べてかなり駆け足感。もっとゆっくりじっくりで良かったのになぁと。 吟遊詩人が歌うシーンの描写が少なかった気が。何ページにも渡る詩というのも困るけど短いのもあっけない感じ。   おわりに 訳者あとがきを読むと続編どころか3部作構想で次の巻もそのうち出るとの事。作中にはエイヴァールだけじゃなく色々な国や地方の名前、地方によって違う魔法のあり方が出てきたし確かに面白そう。そちらも楽しみです。   商品リンク 吟遊詩人の魔法〈上〉 (創元推理文庫) posted with ヨメレバ イラナ・C・マイヤー 東京創元社 2017-11-30 Amazonで購入 楽天ブックスで購入   吟遊詩人の魔法〈下〉 (創元推理文庫) posted with ヨメレバ イラナ・C・マイヤー 東京創元社 2017-11-30 Amazonで購入 楽天ブックスで購入  自分用備忘録。だらっと翻訳ファンタジーの感想や旅行した時の写真記事などを書いてます

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