ずっと読みたかった本。読み終わった後、この本を楽しんで読める事ができた自分の読書人生に感謝しました。

あらすじ

山奥の村で育った少年キリヒトは、師に連れられ首都の「高い塔」と呼ばれる世界最古の図書館の管理人、マツリカの元で働く事になる。

声を持たず、手話で話す少女マツリカ。だが彼女は「言葉」を巧みに操り、人の心理、国の方針、世界の流れをも変える「高い塔の魔女」と呼ばれる存在だった…

感想

世界観

ファンタジーの世界ではあるけれども、剣でも魔法でもなくその力は「言葉」。異世界ファンタジーらしいバトルシーンはほとんどなし。むしろこの作品での戦いというのは外交戦。「言葉」の力で戦を止め、数十年数百年の平和を得ることができるかどうかという、一つ発する言葉を間違うだけで全てが崩れ去るような情報戦。

そして外交戦に必要なのは準備手回し信頼関係。戦術戦略物流工学言語学の話など、物語のはじめから展開される色々な要素すべてが大事なピース。広い視点を持った人の根回しというのは読んでいて小気味よく。ちょっとした事をつなげて予想して展開していくのは推理小説のような感じ。もう読んでてなるほどなるほどの連続。最高でした。作者が言語学者というのは帯の情報かなにかで知っていたけれども、なるほどこれはこの人にしか書けないわ。「言葉」の知識量が違う。

キャラクター

ボーイミーツガールであり、たぶん本当はガールミーツボーイ。

傲岸不遜なマツリカとそれに振り回されるキリヒト少年という微笑ましい感じが続くけれども、少しずつゆっくりと変わっていく二人の関係。主役二人のキャラクターが(ステレオタイプな感じもあるけど)立っていて、見ていて飽きない。

要所要所で各々が抱えているものをどうするかという決断を迫られ、決断していくシーンがあるけれども、どれも見ているだけで心をえぐられるような感覚だった。とくに文庫2巻の最後。あの悲壮感と決意はとても良かった。

二人を支える周囲の人たちも多彩で、ひとりひとり結構掘り下げてくれているけれども、それでもちょっと出番の少なかったハルカゼの動きはもっと知りたかったかも。十分おいしい役ではあるんですけどね。それでもあれだけ設定てんこもり(アルビノ間諜司書有能)の人なのでもっと見たかった。

それと後悔している点としては、途中から登場する近衛兵達を軽視しすぎていて名前をほとんど覚えないまま読み進めていたこと。複数人いきなり名前が出てきたから覚えるのが面倒だったけれども、全員キャラクターも立っているしもうちょっと注意して読めば良かった。2週目は彼らの行動にも注目して読みたい。

総括

これから読む人への注意点みたいなものとして、セリフ回しもそうだけど出て来る言葉が結構難しかったりするので、読書苦手というか国語が苦手な人にはかなり厳しいと思います。読み飛ばせないほど難しいと思った言葉は、素直に辞書で調べたほうがいいかも。自分も特に詩の教養がないので時々出てくる詩の言い回しとかの伏線や面白さが全然わからず。強がって最初に調べなかったせいで後に出てきたやつはほとんど読み飛ばし。実に持ったいなかった。

1番大事なテーマである「言葉」。口から出る声、手話、書簡、書籍、人と人とが交流できるのも言葉だし、過去現在未来とつながっていく、つなげていくのも言葉。改めて「言葉」という意味を考えさせられたし、その持つ力というのも学んだ気がします。

とにかく最初に書いた通り、この本を楽しく読めた事で自分の読書人生は間違ってなかったなぁという純粋な作品への思いとは違う部分への感慨はあったものの、作品は文句無しに面白く、何度でも読みたいです。続編があるのでまずそちらを消化してから2週目ですかね。続編も2週目も待ち遠しい。

https://i2.wp.com/fantasyport.net/wp-content/uploads/2017/08/book.png?fit=521%2C380https://i2.wp.com/fantasyport.net/wp-content/uploads/2017/08/book.png?resize=150%2C150Port国内文学感想・レビューずっと読みたかった本。読み終わった後、この本を楽しんで読める事ができた自分の読書人生に感謝しました。 あらすじ 山奥の村で育った少年キリヒトは、師に連れられ首都の「高い塔」と呼ばれる世界最古の図書館の管理人、マツリカの元で働く事になる。 声を持たず、手話で話す少女マツリカ。だが彼女は「言葉」を巧みに操り、人の心理、国の方針、世界の流れをも変える「高い塔の魔女」と呼ばれる存在だった… 感想 世界観 ファンタジーの世界ではあるけれども、剣でも魔法でもなくその力は「言葉」。異世界ファンタジーらしいバトルシーンはほとんどなし。むしろこの作品での戦いというのは外交戦。「言葉」の力で戦を止め、数十年数百年の平和を得ることができるかどうかという、一つ発する言葉を間違うだけで全てが崩れ去るような情報戦。 そして外交戦に必要なのは準備手回し信頼関係。戦術戦略物流工学言語学の話など、物語のはじめから展開される色々な要素すべてが大事なピース。広い視点を持った人の根回しというのは読んでいて小気味よく。ちょっとした事をつなげて予想して展開していくのは推理小説のような感じ。もう読んでてなるほどなるほどの連続。最高でした。作者が言語学者というのは帯の情報かなにかで知っていたけれども、なるほどこれはこの人にしか書けないわ。「言葉」の知識量が違う。 キャラクター ボーイミーツガールであり、たぶん本当はガールミーツボーイ。 傲岸不遜なマツリカとそれに振り回されるキリヒト少年という微笑ましい感じが続くけれども、少しずつゆっくりと変わっていく二人の関係。主役二人のキャラクターが(ステレオタイプな感じもあるけど)立っていて、見ていて飽きない。 要所要所で各々が抱えているものをどうするかという決断を迫られ、決断していくシーンがあるけれども、どれも見ているだけで心をえぐられるような感覚だった。とくに文庫2巻の最後。あの悲壮感と決意はとても良かった。 二人を支える周囲の人たちも多彩で、ひとりひとり結構掘り下げてくれているけれども、それでもちょっと出番の少なかったハルカゼの動きはもっと知りたかったかも。十分おいしい役ではあるんですけどね。それでもあれだけ設定てんこもり(アルビノ間諜司書有能)の人なのでもっと見たかった。 それと後悔している点としては、途中から登場する近衛兵達を軽視しすぎていて名前をほとんど覚えないまま読み進めていたこと。複数人いきなり名前が出てきたから覚えるのが面倒だったけれども、全員キャラクターも立っているしもうちょっと注意して読めば良かった。2週目は彼らの行動にも注目して読みたい。 総括 これから読む人への注意点みたいなものとして、セリフ回しもそうだけど出て来る言葉が結構難しかったりするので、読書苦手というか国語が苦手な人にはかなり厳しいと思います。読み飛ばせないほど難しいと思った言葉は、素直に辞書で調べたほうがいいかも。自分も特に詩の教養がないので時々出てくる詩の言い回しとかの伏線や面白さが全然わからず。強がって最初に調べなかったせいで後に出てきたやつはほとんど読み飛ばし。実に持ったいなかった。 1番大事なテーマである「言葉」。口から出る声、手話、書簡、書籍、人と人とが交流できるのも言葉だし、過去現在未来とつながっていく、つなげていくのも言葉。改めて「言葉」という意味を考えさせられたし、その持つ力というのも学んだ気がします。 とにかく最初に書いた通り、この本を楽しく読めた事で自分の読書人生は間違ってなかったなぁという純粋な作品への思いとは違う部分への感慨はあったものの、作品は文句無しに面白く、何度でも読みたいです。続編があるのでまずそちらを消化してから2週目ですかね。続編も2週目も待ち遠しい。好きなものを好きな時に好きなように

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